病院では教えてくれない!発達障害の診断を受けたら使える3つの制度まとめ

発達障害の診断を受けてから4~5ヶ月くらい経ったある日のこと。

他の当事者の人たちと会って、仕事や生活の状況や工夫などを聞いてみようと当事者会に参加しました。

その中で参加者の一人が何気なく教えてくれたことが衝撃でした。

 

「自立支援、申請しといた方がいいよ。受診料が安くなるから。」

 

病院には定期的に通っていたのに、そんなこと一度も教えてくれなかった。

早速、自立支援受給者証を申請して発行されると、そこからは医療費の負担割合が減り、とても助かりました。

ですが、受給者証の申請前に受診した分には適用されず、余分に支払った医療費がさかのぼって返還されることはありません。

 

病院には患者にそういう制度の情報を伝える義務はないけれど、正直、知っているなら教えてほしかった。

そんなわけで、今回は発達障害の診断を受けたら使える3つの制度についてご紹介します。

正確な情報はお住まいの市区町村の役所や年金事務所で確認してみてくださいね。

 

なお、同様の内容を動画でもお話ししています。

 

病院では教えてくれない!発達障害の診断を受けたら使える3つの制度まとめ

 

1.自立支援医療受給者証

メリット:医療費の自己負担が軽減される

一般の人であれば公的医療保険で3割の医療費を負担していますが、これが1割に軽減されます。

また、1ヶ月当たりの負担額には世帯所得に応じて上限が設定され、それを超えた分は免除されます。

ただし、世帯所得や重症度により、負担割合や上限額は異なります。

対象者

精神疾患により、通院による治療を続ける必要のある人が受けられる制度で、発達障害も対象となっています。

対象範囲

「指定自立支援医療機関」に指定されている医療機関での精神疾患・精神障害に対する医療が対象となります。

入院や公的医療保険の対象にならない治療、精神疾患・精神障害と関係のない医療は対象となりません。

手続き方法

申請はお住まいの市区町村の「障害福祉課」「保健福祉課」など担当窓口で行います。

申請には「指定自立支援医療機関」で発行された診断書が必要です。

約1~2ヶ月間の審査後、申請が認められると、「自立支援医療受給者証」が交付されます。

有効期間は1年間で、更新手続きが必要となります。

 

医療を受けるときには、交付された受給者証を医療機関に提示します。

わたしはよく持参するのを忘れてしまい、その時は通常の3割負担で支払いをしますが、次回受給者証を提示すると差額分を返金してもらえます。

 

2.精神障害者保健福祉手帳

メリット:公共・民間の各種サービスを受けられる

障害の度合いにより等級があり、等級に応じて受けられるサービスも変わってきます。

主なサービスには以下のものがあります。

●税控除や公共料金等の割引

所得税、住民税、相続税の控除や自動車税・自動車取得税の軽減、NHK受信料の減免を受けることができます。

また、お住まいの地域によっては、上下水道使用料の割引や鉄道、バス、タクシー等の運賃割引、公共施設の入場料等の割引を受けられることもあります。

●障害者枠での就職

就職する際に、一般採用だけでなく障害者採用での募集にも応募することができます。

発達障害などの精神障害を持っていると、就職がむずかしかったり、仕事を続けられなかったりする人も多いです。

障害者雇用で就職すると、無理のない範囲で自分に合った仕事をできるように配慮してもらえたり、上司や同僚の理解を得やすいといった利点があります。

もちろん、手帳を持っていても就職先に申告するかどうかは任意ですし、一般枠での応募も可能です。

●地域による手当や助成

お住まいの地域により、医療費助成や福祉手当の支給、公営住宅の優先入居などの制度がある場合もあります。

●民間事業者による割引

携帯電話料金や映画館・美術館などの文化施設の入場料、航空運賃などの割引制度を設けている事業者があります。

対象者

精神疾患により長期にわたって日常生活または社会生活への制約がある人が対象になります。

また、初診日から6ヶ月以上経過していることが必要です。

 

精神障害者保健福祉手帳の等級は障害の程度に応じて1級から3級まであり、後からご紹介する障害年金の等級とだいたい一致します。

ただ、審査する機関が異なるため、障害者手帳は3級でも障害年金では2級の判定になるなど、必ずしも一致するわけではないようです。

その場合、障害者手帳の等級を障害年金の等級に合わせて変更してもらえる場合もあります。

手続き方法

申請はお住まいの市区町村の「障害福祉課」「保健福祉課」など担当窓口で行います。

診断書は、「精神保健指定医」または精神障害の診断・治療に従事する医師に記載してもらう必要があります。

申請後は1~2ヶ月ほどで審査が行われ、認められると手帳が交付されます。

有効期間は2年で、更新手続きが必要です。

多くの市区町村では、先にご紹介した自立支援医療受給者証と同時に申請することができ、その場合は申請書類をまとめることが可能です。

 

サービスを受ける際は、各市区町村窓口や民間事業者の窓口などで手帳を提示して手続きを取ります。

 

3.障害年金

メリット:障害基礎年金・障害厚生年金を受給できる

発達障害を含む病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、年金を受け取ることができます。

障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、受給要件や支給額が異なります。

対象者

障害基礎年金

病気やケガの初診日が国民年金に加入している間、または20歳前もしくは60歳以上65歳未満にあり、障害等級1級・2級に該当する障害の状態にある場合に支給されます。

ただし、障害基礎年金を受けるためには、所定の保険料納付要件を満たしている必要があります

障害厚生年金

病気やケガの初診日が厚生年金に加入している間にあり、障害基礎年金の1級・2級に該当する障害の状態にある場合、障害基礎年金に上乗せして支給されます。

また、障害の状態が2級に該当しない軽度の障害のときは3級の障害厚生年金が支給されます。

障害厚生年金の場合も、受給するためには障害基礎年金の保険料納付要件を満たしていることが必要です。

障害認定日

発達障害の場合、初診日から1年6ヶ月を経過した日、または20歳に達した日が障害認定日となり、その翌月から年金が支給されます。

手続き方法

お住まいの市区町村を管轄する年金事務所で請求の手続きを行います。

年金請求書の提出から約3ヶ月で審査結果が通知されます。

 

なお、障害年金は後から請求しても障害認定日まで遡って受給できますが、5年の時効があるため、それ以前の分は受給できません。

 

制度を利用するかは個人の判断で

ここでご紹介した制度は、障害の程度や所得の状況、どの程度対象のサービスを利用するか等によって、利用するメリットがあるかは変わってきます。

申請するための診断書の費用や申請の手間もありますし、認定が下りないこともあるでしょう。

心理的に障害者手帳を持ちたくないという人もいるかと思います。

制度を利用するかどうかは主治医や自治体の担当者などと相談して決めるのがよいでしょう。

 

わたしは個人的には使えるものは使ってみた方がいいという考えです。

一度使ってみれば、自分がどのサービスを受けられるのか、どれくらいお世話になるのかがわかります。

結局不要だと思えば、次回は申請しなければいいだけです。

 

こうした制度の活用で、少しでもあなたの生活がよくなればうれしいです。

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